『宝塚歌劇明日海りお論』という松島奈巳さんが書かれた本があります。(上の写真は別物です。表紙の明日海りおさんがきれいでかっこ良く、いわゆる表紙買いです笑)ずばり、元宝塚歌劇花組トップスター明日海りおさんが宝塚歌劇に憧れ、宝塚歌劇花組トップスターになるまでが簡潔に書かれていて、明日海りおさんの魅力にとことん迫っています。と言っても、明日海りおさんのことだけではなく、宝塚歌劇の歴史だったり明日海りおさんの同期の方々の話も所々紹介されていて内容としてはかなり濃いです。明日海りおさんの同期である美弥るりかさんの話なんかは涙ものでした。いずれはセンターポジションになると思っていましたから、センターポジションになる前に宝塚歌劇を引退されてしまったことは正直ショックでした。でも、宝塚歌劇に多大な貢献をされたことは間違いなく、これからもっと輝く舞台が待っていることでしょう。
『宝塚歌劇 明日海りお論 89期と歩んできた時代』
2019年12月20日 初版発行
著者 松島奈巳
発行者 金田功
発行所 株式会社東京堂出版
さて、本書によれば、「明日海りおさんは宝塚歌劇のビデオ鑑賞から宝塚音楽学校合格までたったの8ヶ月、人智を超えた何かが宝塚歌劇団へ導いたとしか思えない。」と書かれています。3歳からバレエを始め、4歳からはピアノを、1歳からスイミングスクールにも通っていてアスリートの一面もあった。また、静岡雙葉中学を卒業していて才色兼備であること。宝塚音楽学校に入学するには十分な能力を兼ね備え、初舞台から11年でトップスターになる(11年という期間は早い方なんです))という、教科書的な?道を歩まれました。ただ、宝塚歌劇花組トップスター蘭寿とむさんがいらした時はあまり目立っていなかった印象があります。蘭寿とむさんがまた圧倒的な存在感でしたからね。しかし、その蘭寿とむさんからトップスターという座を引き継いだわけです。
明日海りおさんは多彩な能力、魅力に恵まれ、なかなかふつうでは真似できない感じがするので、『宝塚歌劇明日海りお論』を読んでも明日海りおさんの魅力、学べる点をまとめ上げることができませんでした(苦笑)ただ1つあるとすれば、人生を大きく変える出来事というのは誰しも共通して存在するということ。明日海りおさんであれば、
「ビデオ鑑賞」
です。このような些細なきっかけで人生は変わるということ。ここでは、困難を乗り越えて人生を大きく変えた、といった話ではありません。自分の歩むべき道に出会えた、自分の歩みたい道に出会えたということです。これは私たちでも平等に訪れる機会であり、これをモノにできるかは本人次第ということになります。「たった一人の人物との出会いで運命が変わった。」「たった1つの出来事で人生が大きく変わった。」「たった1つの映画を観ただけで価値観が変わった。」etcetc。これはいい意味、悪い意味ありますが、ここではもちろんいい意味での話です。
ちなみに私の場合、いい面悪い面ありましたが、東日本大震災による放射能を心配し、東京から大阪に移住して4年間住んだことが人生の1つの転機になっています。いろいろ経験しましたし、宝塚歌劇に興味を持ったのも大阪に移住してからです(笑)豊中市に住んでいたので阪急電車で宝塚まで結構近いんですよ。それはともかく、明日海りおさんに限らず、自分の歩むべき道だったり、自分が歩みたい道というのはふと目の前に現れる瞬間が訪れるわけですから、常にアンテナを張りつつ、友人からたまたま借りたモノを観たり使ったり、たまたま紹介された人に会ってみたりするといったことは日頃から意識して生活すると良いですね。
宝塚歌劇に興味のない人は本書を読んで宝塚歌劇の入り口に立ってみるのもおすすめです。「たった1つのブログで人生が大きく変わった。」なんてことがあれば、お互いHAPPYですよね♪
最後に、『宝塚歌劇明日海りお論』にはあまり聞きなれない言葉が出てきます。本書を読む際の参考になれば幸いです。「まれびと」と「独参湯(どくじんとう)」は本書でも説明されています。
★眉目秀麗(びもくしゅうれい)
容貌が美しいこと。主に男性に使われる。女性の場合は「容姿端麗」が使われる。ちなみに明日海りおさんは男役です。
★揣摩臆測(しまおくそく)
根拠が確かでないのに自分勝手に憶測、推測すること。
★牽強付会(けんきょうふかい)
自分の都合のいいように無理に理屈をこじつけること。
★肝胆相照らす仲(かんたんあいてらすなか)
お互い心の中まで打ち明けて親しく付き合うこと。
★審美眼(しんびがん)
美しいものを見極める能力のこと。
★まれびと
民俗学で「異郷から来訪する神」のこと。
★独参湯(どくじんとう)
江戸時代に用いられた気つけ薬でよく効いた。歌舞伎の世界では「『忠臣蔵』は芝居の独参湯」と称されていたそう。客入りの悪い興行が続いて苦戦したら、『忠臣蔵』をかけるとたちまち満員になるという意味。