ビジネス書評

『38億年の生命史に学ぶ生存戦略』ビジネスの戦略は生物の戦略に学べ!

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自然界には植物、生き物が存在し、厳しい生存競争が行われています。今存在している植物や生き物はまさにその生存競争を勝ち抜いた者たちですが、その生存戦略とビジネスで勝つための戦略が似ているとして、自然界での生存戦略を例にビジネスの戦略をわかりやすく説明してくれている本があります。それが稲垣栄洋(いながきひでひろ)さんの『38億年の生命史に学ぶ生存戦略』という本です。雑草だったりゾウリムシとヒメゾウリムシ、ライオンとトラ、イワナとヤマメといった生き物が随所に登場し、生き物たちのかわいいイラストも出てくるので植物や生き物が好きな人はプラスアルファで楽しめる内容になっています。

 

 

『38億年の生命史に学ぶ生存戦略』

2020年9月10日 第1版第1刷発行

著者 稲垣栄洋

発行者 清水卓智

発行所 株式会社PHPエディターズ・グループ

 

 

本書は大きく5つの章に分かれており、主役は植物と生き物たちです。稲垣栄洋(いながきひでひろ)さんは農学博士、植物学者であるため当然と言えば当然ですが、植物に関する著書は多数出版されており、他の著書を読んでみると、植物に対する「愛」を感じてしまうほど。植物を学ぶなら稲垣栄洋(いながきひでひろ)さんの著書は大変おすすめですが、我々ビジネスマンにおいては植物や生き物の生存戦略を学びながらビジネスも学べるという本書をまずは読んでほしいところです。

 

Ⅰ  生き物にとって競争とは何か

Ⅱ 生き物にとって変化とは何か

Ⅲ 生き物たちのオンリー1戦略

Ⅳ 生き物たちの戦略

Ⅴ 生物進化のイノベーション

 

さて、今回も3つのポイントに絞って紹介しますが、紹介する内容自体は他のビジネス書にも書かれている内容です。本ブログで伝えたいのは生き物たちがどのような生存戦略を持って今まで勝ち抜いてきたか、ということであり、生き物たちから改めてビジネス戦略を学んでみてはいかがでしょうかということが主旨なので、詳しくは本書を読んで学んでみてくださいね。

 

1、なるべく戦わない

自然界では厳しい競争を避けて通れない、だからこそ生き物たちはできるだけ戦わない道を選んでいる。ビジネスの世界においても常に競争していては生き残れない、だからこそオンリーワンであり続けることが大事である、と本書で書かれています。ポジショニング戦略という言葉をよく聞きますが、戦うべき場所を絞り込むということです。本書に書かれた例として、カブトムシとクワガタムシは活動時期をずらして戦いを避けているようですが(クワガタはカブトに勝てない)、ヤマダやコジマは郊外、ビックカメラやヨドバシカメラは駅前、ノジマはショッピングモール内といったように、戦う場所をずらしてなるべく戦わないようにしています。「いかに戦わずしてどう勝つか」を意識しましょう。

 

2、オンリーワンであり続ける

本書に「生物の競争は相手を打ち負かして滅ぼすような戦いではなく、オンリーワンを奪い合う戦いである。」と書かれています。上記1、につながる考えですが、なるべく戦いを避けるためにもオンリーワンになる必要があるということです。「ナンバーワンになれるオンリーワンの場所」を持つために、他とは違った活動をしたり、同じような活動を違うやり方で行ったり、独自の強みや技術を持つ必要があります。そして、自分の(勝てる)居場所を確保するということですね。どの植物や生き物も自分の居場所をうまく確保しています。知らなかったのですが、冷たい水を好むイワナは最上流部に生息していて、上流部より水温高めを好むヤマメはイワナの生息域よりも下流で暮らしているそうです。イワナがいなければもっと上流で暮らすこともあるそうですがどの生き物も自分の居場所があるように、我々ビジネスマンも自分の居場所が必ずあります。「自分の居場所はどこか」を意識しましょう。

 

3、CSR戦略を取り入れる

本書に紹介されていましたが、イギリスの生態学者ジョン・フィリップ・グライムが「植物の成功戦略には3つの要素がある」と提唱しました。その3つの要素は以下になり、CSR戦略と呼ばれます。

 

C「コンペティティブ(競争力:競争で勝ち抜く力)」

S「ストレス・トレランス(ストレス耐性力)」

R「ルデラル(変化に対応する力)」

 

このCSR戦略は植物の成功戦略ですが、ビジネスマンにも当てはまる要素ですよね。競争に負けないための武器を身につける必要がありますし、どんな逆境やストレスにも負けない耐性力が必要です。さらに、時代の変化に合わせて自身のスキルをアップデートしていかないと活躍し続けることは難しいでしょう。この植物のCSR戦略もビジネスの成功戦略に通ずるものがあります。

 

 

上記3つは関係性があり私なりにまとめると、植物のCSR戦略を自身にインストールすることでオンリーワンとなり、結果的にライバルと戦うことなく自分の居場所を確保することができる。そこでナンバーワンになることで「ナンバーワンになれるオンリーワンの場所」を実現する。それを植物や生き物たちは教えてくれました。

 

稲垣栄洋(いながきひでひろ)さんの『38億年の生命史に学ぶ生存戦略』という本はタイトルだけ見ると生物の専門書かなにかと思われてしまいそうですが、立派なビジネス書です。ぜひ植物や生き物たちからビジネスのヒントを得てみてはいかがでしょうか。あなた自身やあなたの会社が大きく変わるかもしれませんよ。

 

 

 

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