スペイン語で「福をもたらさぬ禍はなし」ということわざ(refrán)がある。「禍転じて福となす。」など意味が近いことわざもあるが、新型コロナウィルスが世界中に広がりつつある中、このことわざには前向きな感情を人々の脳裏に焼き付けてくれるパワーを持っている。
No hay mal que por bien no venga.
「福をもたらさぬ禍はなし」
不幸な出来事というのは幸運につながるチャンスでもあり、思いがけない良い結果につながることもある。人々が手洗い、うがいをするようになってインフルエンザ患者が減ったとか、働き方についてもオフィスにわざわざ行かなくても良いということに気づいた企業が多くなったりなど、今まで考えられていた当たり前が当たり前でなくなりつつある。ただ、それが福であるかは国によっても違うし、人それぞれ考え方が違う。ここで言いたいのは、新型コロナウィルスとの戦いが数ヶ月、数年続くかもしれないと考えた場合に前向きな気持ちを忘れずにいたいということである。
No hay bien ni mal que cien años dure.
「100年続く幸福もなければ不幸もない。」
幸福も不幸も長い目で見ればいつまでも続くものではなく、いつかは終わりがくる。新型コロナウィルス拡大期がちょうど学校の卒業式や入学式のシーズンに重なり、楽しみにしていた子供たちはさぞ残念だったと思う。特に小学生。中学受験を戦い抜いた子どもたちは3月の小学校の卒業式はまだしも、頑張って入学した中学校の入学式に参加できなかった。参加できなかったというより入学式そのものが中止になったわけだからどうしようもない。しかも授業は当面の間、Web授業だったりして学校に行くことすらできない。健康第一ではあるがあまりにもかわいそうだなって思う(涙)でも、ここは考え方を変えて、親にとっては今まで頑張ってきた子どもをねぎらい、子どもと一緒に過ごせる時間を大切にする。子どもにとっては今まで協力してくれた親に感謝して学校再開までますます勉学に勤しむ。
とにかく、大人も子どももこれからの時代にどう生きていくかを真剣に考えつつ、前向きに人生を歩んでいくこと。それしかない。