40歳を過ぎたら一度目を通すと面白いのが『定年まで待つな!』という成毛眞さんの本です。
本書は『40歳を過ぎたら、定時に帰りなさい』という2年前に出された本の後継版のような位置付けと理解していますが、2年前は転職せずに会社にしがみつきながら副業をやることをすすめていたものの、2年経った本書においては会社を飛び出したり転職もあり!といった内容に変わっています。
これからの日本がどうなっていくのか、海外の状況はどうなっているのかといった話があり、プラスしてビジネスのヒントも書かれていて、特に40歳以降のミドルエイジのこれからの生き方というものを指南してくれます。趣味で稼ぐ話は面白いし、正直、サラリーマンを好きでやっている人でない限り、サラリーマンなんてやめたいって思いますよ(笑)
そして、本書で成毛眞さんがおっしゃっている「ミドルエイジは驚くほど危機感がない」という言葉が示す通り、もっと危機感を持たないとこれからの人生、特に定年過ぎてからが危険であるということも教えてくれます。そのためにも、今から趣味で副業したり資産形成をしておかなければなりません。
趣味などで副業あるいは起業するというのは必須ですね。『40歳を過ぎたら、定時に帰りなさい』では「自分商店の店主」であるという意識を持てと書かれていますし、本書では副業用として自分の会社の設立をすすめています。例えば物販を副業でやるなら、取引上、個人事業主だと不利になるため物販をやるために1円で自分の会社を立ち上げようという話が出てきます。LLC(合同会社)なら初期費用を安く済ませることができますし、サイト制作や会社のロゴ制作なんかも今は無料でできます。
そう考えると何だか自分で何かやってみようかなって気になりませんか?私なんかは今個人事業として活動していますが、近いうちに合同会社を設立しようかななんて思っています。もちろん、メリット、デメリットを踏まえてという話ではありますが合同会社から始めて、何かのタイミングで株式会社にしたっていいんですよね。日本初の技術系アウトソーシング会社を作られた関口房朗さんが著書で「経営者ほど面白い職業はない。」といった意味の言葉をおっしゃっていますが、自分で会社を持つというのはモチベーションも上がり、人生が大きく変わるのではないでしょうか。
さて、著者の成毛眞さんですが、日本マイクロソフトの社長を経験された方。以前、私が勤めていた会社がDELL社に買収されたE社だったこともあり、外資系IT企業の社長をされた方々の本は結構読んでいます。その中でも成毛眞さんの本は何冊も出版されていてどれも面白いし勉強になります。外資系IT企業の社長をされていた方が現在は書評サイト「HONZ」の代表を務めていらっしゃいます。この経歴も魅力ですがこのサイトがまだすごい(笑)プロの方々が書く書評というのもまた勉強になります。
★書評サイト「HONZ」
この2冊はセットで読むのがおすすめ。
『40歳を過ぎたら、定時に帰りなさい』
2016年12月2日 第1版第1刷発行
著者 成毛眞
発行者 岡修平
発行所 株式会社PHP研究所
『定年まで待つな!』
2018年10月2日 第1版第1刷発行
著者 成毛眞
発行者 後藤淳一
発行所 株式会社PHP研究所
あなたが今、40歳以上でサラリーマンを続けながら副業をしたいと思っている、あるいはサラリーマンなんかやめて自分の好きなことで起業したいと思っている、海外で働きたいと思っている方はぜひご一読されることをおすすめします。一方で、今まで何も考えずに生きてきてしまった40歳以上のミドルエイジの方々にも本書は人生を変えるきっかけになるので強くおすすめします。
本書に書かれているのは起業/副業の話ですが、定年まで待ってそれから自分の好きなことをして生きるのか、定年を待たずに自分の好きなことで食っていくのか。人生に与えられた時間は限られている、そして本書を通して見えてくる趣味を仕事にして生きている人たちは間違いなく「生き生き」していて若い。この時代だからこそできるミドルエイジの生き方というものを改めて見つめ直してみてはいかがでしょうか。