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株式会社morich代表取締役である森本千賀子さんの著書『無敵の転職』は転職の心構えやテクニックだけではなく、入社後の過ごし方、そして理想のキャリアを築くまでが書かれたある意味、人生の道しるべ的な内容になっています。
森本千賀子さんはメディア等でご存知の人も多いかと思いますが、1993年にリクルートグループで採用支援や転職支援の仕事を始め、現在は独立して人材戦略コンサルタントとしてご活躍されています。
リクルート出身で独立してご活躍されている人は多数いますが、森本千賀子さんもそのひとりです。ですから、『無敵の転職』にはリクルートで森本千賀子さんご自身が学んだこともちらほら書かれており、転職のみならず将来独立したいという人にとっても本書は参考になるでしょう。
『無敵の転職』
2019年9月25日 初版発行
著者 森本千賀子
発行者 富永靖弘
発行所 株式会社新星出版社
さて、森本千賀子さんの著書『無敵の転職』では大きく転職前(入社前)、転職後(入社後)、理想のキャリアの3つについてそれぞれ具体的なやるべきことが書かれています。
本ブログでは、独立も見据えて「今後活躍し続けるためにどういったことが必要なのか?」といった視点で本書から3点ご紹介しますが、転職前の職務経歴書の書き方や面接の対応など転職ノウハウについては、ぜひ本書を読んで参考にしてみてください。
「自分ブランド」を構築する
本書に「社内で一目置かれ頼られる存在になるために「自分ブランド」を築きましょう。」ということが書かれています。「自分ブランド」とは、「この分野なら誰にも負けない、誰よりも詳しい。」といったことですが、要は、
「○○ならXXさん」
と言われるようになろうということです。これは社内に限らず独立しても必要になりますから、まずはここを目指しましょう。
ちなみに私の場合、某外資系IT企業でISMS事務局長をしていた時にある部門長の方から「ISMSと言えば宮崎さん」と言われ、ISMS事務局長を始めて数年目にようやく上の立場の方に言っていただき、社内に浸透していったように思います。
※それまではだいぶ苦労しましたが(汗)
そして、森本千賀子さんは「「自分ブランド」は世の中で求められているかといった視点も持て」ともおっしゃっていて、「自分ブランド」に市場価値があるか、今いる会社でしか役に立たないスキルではなく他でも通用するか、を見極めなければなりません。そのためには、社外での情報収集も欠かせないということになります。
他社でも通用する力があるのであれば更に磨きをかける。通用しないのであれば、今いる会社で不足しているスキルを身につけておくといったことが個人的には必要なのではないかと考えております。
本書には他にも、「仕事以外の強みもブランド化しよう」という話だったり、「トレンド(時流)に自分ブランドを掛け合わせて自身の需要アップを図ろう!」といったことが書かれていますのでぜひ参考にしてみてください。
「プロデューサー型人材」になる
本書『無敵の転職』は2019年に出版されていますが、「プロデューサー型の人材になる」という点は今も通用する考え方であること、そして独立する際にも役立つと思いましたので紹介させていただきます。
近年「プロデューサー型人材」の需要が高まっており、職種は「新規事業企画」「事業開発」が該当すると本書で書かれています。企業としても、自身で独立しても、その事業がいつまで続けられるかわかりませんので、新たなビジネスモデルなり事業を立ち上げる力が必要となります。
では、「プロデューサー型人材」になるために必要なことは何でしょうか?森本千賀子さんは本書(159ページ目)で3つの要素を挙げていらっしゃいます。
1、何らかの領域の「エキスパート」であること。
2、1、のみならず複数の領域についての経験や知識があること。
3、多くの人を巻き込んで事業を推進できること。
何らかのスペシャリストであること、他の分野の知見も持っていること、多くの関係部署の人たちと関係を築き、巻き込み、事業を推進していける人こそが「プロデューサー型人材」になり得るということです。
多くの人を巻き込むという点においては、異動や転勤などを経験した人はその分、知識や経験値も増え、人のネットワークもできますから、「プロデューサー型人材」になれる可能性は高くなるし、いわゆる「変化を経験した人」というのは転職市場でも強いそうです。
独立する上でも多くの協力者を巻き込んで事業を立ち上げ、推進する力があれば、成功する確率は高くなりますよね。「自分ブランド」を確立して「プロデューサー型人材」を目指すというのも自身のキャリア構築の1つとして入れてみてはいかがでしょうか。
自由なキャリアを作る
森本千賀子さんは「複数の企業で経験を積むことでキャリアを飛躍させた人たち」を多く見てきたそうです。「転職」というのは転職活動から入社して業務に慣れるまで大変なストレスがかかるものです。
ですから、キャリアを飛躍させるための「転職」(転社)を繰り返す人はスキルのみならず、そのストレスに打ち勝つエネルギーがあります。企業側からすれば、このようなエネルギーを持った人に対し、何かイノベーショを起こしてくれるのではないか、と期待するでしょう。
森本千賀子さんはイノベーションを起こせる人というのをこのようにおっしゃっています。
「単一のビジネスモデルやカルチャーに染まりきった人ではなく、あらゆる経験を積んで、それらを効果的に融合させられる人」
融合させられるというのがポイントで、単にあらゆる経験を積んできた人ではないという点に留意する必要があります。転職でも副業でもあらゆる経験を積み、融合させることで、イノベーションを起こす。
そして、「転職」を考えることは、同時に自分が理想とする人生のキャリアを考え直すことでもあります。副業OKの会社も増え、1社に縛られず幅広い経験ができる環境が整ってきました。要は自分自身で自由なキャリアを作ることができるということです。
以上、3つの点をご紹介しましたが、もしあたなが今転職を考えているのであれば、最後に本書『無敵の転職』の第1章冒頭に書かれた森本千賀子さんの以下メッセージをお伝えしておきますね。
「転職活動するなら本気で!!」
本気で転職活動に取り組むという覚悟と、自分の人生を変えてやる!という気概を持って、本当に入社したいと思う企業を絞り、じっくり転職活動(対策)を行いましょう。あなたの人生のキャリアが輝かしいものになることを願って☆