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『稼ぐ力をつけるリカレント教育』大前研一さんから人生100年時代の生き方を学ぶ

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「リカレント教育」という言葉が最近よく聞かれます。リカレント(recurrent)とは「回帰」という意味で、リカレント教育は社会人が就労に活かすために学び直すこと。LIFE SHIFTのリンダ・グラットン教授が「人生100年時代」を提唱しましたが、生涯現役という姿勢でこれからの人生を歩む必要があります。スウェーデンはリカレント教育発祥の地と言われますが、生涯に渡って教育を受ける文化が根付いていて大学に戻り、あるいは大学に入り学び直しを行うことが当然のように行われています。

 

フィンランドも世界一学力が高いと言われますが、「教えられる教育」から「考える教育」にシフトしやはり社会人になってから積極的に学び直しを行なっている。日本においても向上心のある人は積極的に大学に戻って学び直しや新しい知識を吸収していることでしょう。しかし、北欧に比べてリカレント教育を実行している比率は断然低いのではないかと思われます。終身雇用は崩壊し企業の倒産、リストラがいつ行われるかわからない昨今、自分自身のスキルを日々高めていくことは必須と考えられます。

 

さて、「リカレント教育」について大前研一さんが著書を出されています。本書では個人のスキルを高め「エクセレント・パーソン」になれるかどうかがこれから生き残るための鍵になるとおっしゃっています。「エクセレント・パーソン」とは「傑出した個人」という意味でハードルが高い言葉に聞こえますが、人生100年時代においてはそれだけの人間を目指す必要があると考えられます。そして、生涯に渡り稼ぎ続けられる力を身につけなければならないと大前研一さんはおっしゃっており詳しくは本書に書かれています。

 

 

『稼ぐ力をつける「リカレント教育」

誰にも頼れない時代に就職してから学び直すべき4つの力』

2019年6月15日 第1刷発行

著者 大前研一

発行者 長坂嘉昭

発行所 株式会社プレジデント社

 

 

大前研一さんについては知らない人はいないというくらい有名な方です。経営コンサルタント、マッキンゼーというイメージが強いですが、今ではビジネス・ブレークスルー大学の学長をされており、ビジネスパーソンの育成に力を入れています。『稼ぐ力をつける「リカレント教育」』で参考になった点を3つ挙げさせていただきました。

 

とがったスキルを持つ人材の獲得

使えない大卒者を増やしてはならないということで、まだ日本の教育環境の悪影響を受けていない中高生こそ活躍できる可能性がある。現に、とがったスキルを持った中高生が企業にインターンで採用され働いている。人手不足と言われる日本において、外国人労働者だけでなくとがったスキルを持った中高生たちが早いうちから企業で働くようになるかもしれません。優秀な中高生はたくさんいますからそういった子供たちが大学への進学を選ばず、早いうちから社会人になり稼ぎ、起業家になるという道が開けています。

 

今は大卒の価値が低くなっているわけですから、大卒の学歴を取得するために下手な大学に入って無駄な4年間を過ごすよりも、とがったスキルを身につけて早くから社会に出るというのも1つの生き方であり、成功への近道かもしれません。中高生がYouTubeで億万長者になったり起業して経営者になったりする時代ですから、私の中高時代が考えられません(苦笑)そういった意味でも私の世代は「リカレント教育」というものにもっと貪欲に向かい合う必要があります。

 

ビジネスパーソンに必要なスキル

大前研一さんはビジネスパーソンに必要なスキルとして以下の4つを挙げています。

 

1、問題解決力

2、ハードスキル(IT、ファイナンス、マーケティングetc)

3、ソフトスキル(リーダーシップ、英語etcも含むコミュニケーション)

4、構想力(0から1を生み出す力)

 

あらゆる年代に必要なのが問題解決力とソフトスキルであり、40代以降においては構想力を使う仕事に自らを移行させていく必要があると本書で書かれています。問題解決力や英語、リーダーシップは以前から言われているように不変のスキルと言えます。

 

気になったのが私のような40代の働き方。構想力を使う仕事は企業でもいくつか部門が存在しますが、はやり起業が思い浮かびます。ウォルト・ディズニーの話も有名ですが、ディズニーはディズニーランドが完成する前に亡くなりました。でも、頭の中ではすでに完成したディズニーランドを見ていたそうです。起業すると0から1を生み出す力や無から有を生み出す力も必要になってきます。0から1を生み出す必要なんてない!なんて話もあるくらい簡単な話ではありませんが、ディズニーランドのような夢の世界が構想できたとしたら楽しいですよね。会社でできなければ起業してビジネスを構想すればいいし、40代のうちから定年後の60代につながるビジネスを構想していく。

 

人生100年時代の個人の戦い方

本書では前半の20年、後半の20年、そして定年後について書かれています。この部分についてはこれからの人生において指南書となるべきもの。自分の年代に応じて確認していただきたいので本書をぜひご覧いただきたいわけですが、私の年代にあたる後半の20年(40代から50代)について少しだけ触れますね。

 

興味深かったのがサラリーマンは気楽な稼業であり今のうちに3割さぼる、ということ。これは決してネガティブに捉えるのではなく、この間、定年後も自力で稼ぐ方法を研究し実践するということ。「リカレント教育」でも何でも今のうちに新しいスキルを身につけたり人脈形成をして定年後に起業できる、あるいは自力で稼げる能力を磨いておくということです。ほんと共感(笑)これも人生100年時代だからこそです。

 

 

まとめると、『稼ぐ力をつける「リカレント教育」誰にも頼れない時代に就職してから学び直すべき4つの力』という大前研一さんの本は「生涯現役」という考えのもと、「リカレント教育」により学びを続け、生涯稼ぎ続けることのできる人生を歩んでいこう!という非常に前向きな、そして定年後にも希望を持てそうな内容となっています。あらゆる年代のビジネスパーソンにおすすめできますし、新型コロナウィルスが広がりつつある中においてこそ、本書を読んでこれからの時代、人生に備えるべきだと考えております。

 

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