リクルート社『ゼクシィ』の生みの親である渡瀬ひろみさんがTV東京の「巨大企業の日本改革3.0」というTV番組に出演されました。『ゼクシィ』といえば結婚情報誌、結婚情報サイトで有名ですが、この『ゼクシィ』という事業を立ち上げた方を知っている人は多くはないでしょう。
私もつい最近知ったわけですが汗、渡瀬ひろみさんは元リクルート社員で、現在はALEA(アーレア)創業者/代表取締役として新規事業コンサルタント等で活躍されています。
◆株式会社アーレア
❤️ゼクシィ
渡瀬ひろみさんは学歴、経歴から見てもエリート街道まっしぐらな印象ですが、リクルート入社4年目で社内新規事業提案制度でブライダル情報誌事業を起案し、落選しながらも事業化を牽引してきた方。TV(画面越し)での印象はとにかく貫禄があって情熱に満ち溢れた女性。そして、リクルートで培った経験に裏打ちされた自信というものが感じられました。
リクルートといえば「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ。」という言葉が有名ですよね。社内での新規事業立ち上げや独立を推奨する社風であり、将来独立を考えていたり、社内で新規事業を立ち上げて会社に出資してもらいたい人にとっては大変魅力的な会社です。リクルートに関する書籍も何冊か出版されていますのでこれら書籍も参考になります。
ちなみに「リクルートの口グセ」という本は元リクルート社員の経験談が語られていて参考になりました。例えば「すでに確立された業務でもあえて変える。そこから思いがけないものが生まれる。」とか「目標達成できるか否かは能力の差ではなく、「あと一歩」を詰められたか否かの差である。」といった言葉はリクルートに限定されないビジネス全般に役立つマインドです。
さて、そんなリクルート社の元社員だった渡瀬ひろみさんが上記TV番組で、新規事業の立ち上げ方や考え方について語られており、これが非常に勉強になりましたのでシェアしますね。まず、新規事業を考える上で意識しなければならないこと。それは、
「人の心の向き」
Withコロナの時代において、わざわざ会社に行かなくても仕事ができることがわかり、出社したとしても月に数回であれば「別に東京にいなくても働けるな」とか、在宅時間が増えたので「家で美味しいものを食べるにはどうしたらいいかな」といったことにまずは敏感になること。
そして、不便そうにしているお年寄りや妊婦さん、ちょっと困っている人がいた時に、「世の中こういうもんだよな」と思うか、「この人たちをなんとか助けてあげられないか」と思うか。まずは困っている人の役に立つ、があってこそ必然的にモノが勝手に売れていく。順番を間違えると成功にはたどり着けないということ。
大企業を作った「不満」について、以下の例が紹介されました。
ダイソン 「吸引力が落ちない掃除機がほしい」
HIS 「航空チケットをもっと安くしたい」
ファンケル 「妻に肌荒れしない化粧品を」
どの企業も大成功を収めています。そして、渡瀬ひろみさんは新規事業を立ち上げようとする人に対してこう指摘されています。
「新規事業を立ち上げる人って”ビジネスを探しに”いっちゃうんです。探しにいくのはビジネスではなくて「困っている人」を探すんです。不便、不満、不足、不安、そういう「不」を探しにいくんです。」
この「不」を探しにいくのが大事です。私も以前「不」を考えずに何とかなるだろうという安易な気持ちである事業をしたことがあって、見事に失敗した経験があります(苦笑)そして、この事業を何とかなるはずだ、と長々続けてしまったことが結果的に傷口を広げる形となりました。それはさておき、、とにかく「不」を見つける努力をすることです。
この「不」というのは自分の行動のモチベーションも上がりますよね。不快とか不便といったことは自身を行動に駆り立てます。例えば今だったら「もう1部屋ないと子供がうるさくて在宅勤務がしんどいから、早くもう1部屋ある家に引っ越したい!」とか、「給与が安くて広い家に引っ越せないから、早く稼げる仕事に変えたい!」とか、「在宅勤務で充電頻度が増えて、スマホのバッテリーが切れやすくなったから早く交換したい!」とか。
こういった「不」というものは人を行動に駆り立てるし、逆に考えれば、人が感じているこういった「不」を探すことでビジネスチャンスが生まれるということです。私なんかは子育て世帯向けに「もう一部屋増やそう引越しキャンペーン」みたいな子育て世帯を優遇してくれるような引越しサービス、賃貸住宅サービスがあったら使いたいなって思うかも。。。
最後に、渡瀬ひろみさんが立ち上げしてすぐの間は「売り上げ」ではなく、チャレンジしようとしたことが実現できているか、をしっかりチェックしましょうということでした。世の中の不便、不満などに対して、それを解決しようとしていること(自身の商品、サービス)ができているか、いないか。ここもしっかり抑えておきたいところですね。